1. 批判のための批判は厳禁
大隅多元塾は「自分がいかに頭がいいか」を見せつける場ではありません。かっこつけをする必要はこれっぽっちもありません。そのために他人の意見や考えにケチをつける必要もまったくありません。ここはあくまでも参加する人が全員、お互いを高めあい、お互いから学びあう場なのです。ですから、批判のための批判は厳禁とします。あくまでもその人のことを思って、建設的な批判ならよいですが、他人を蹴落とすための批判はルール違反とします。
2. まずよいところに目を向ける
ルール1と同様、この大隅多元塾では、他人のよいところを見る、あるいは見つけるということを大切なルールとします。つまり、他人の話を聴く時には、「この人の考え方、ものの見方で何がすぐれているのだろう」という視点を常に持つということです。お互いがお互いを励ましあう空間――それを目指します。
2. 世の中にアホな質問や意見はない
一般的に恥ずかしがりやでまわりに気を使いすぎる日本人にとって、これは大切なルールだと思います。要するに、自分の考えを述べるうえで、他人に遠慮をするな、ということです。「こんなことを聞いたらバカにされるかも」「これを言ったら自分の無知をさらけ出すことになる」――そんな遠慮は無用です。どんなアホな質問でもコメントでもいいんです。自由に、堂々と言ってください。一見、アホに見える質問やコメントがきっかけとなり、それまで「当たり前」と思っていたことが当たり前でなくなったり、つまり常識がくつがえされたりすることだって十分考えられるのです。ですから、遠慮は無用。というか、こういう場では有害でさえあります。どしどしアホな質問やコメントを出しましょう。大歓迎します。
3. 常に時間(的制約)を意識する
時間を意識しながら話をする、発表する――これもまた日本の伝統的な教育現場では弱点となっているところではないでしょうか。意見発表の際に「はたして自分にはどのくらいの時間が与えられているのか」――それを常に意識しながら、自分の考えや意見を整理し、発表することは非常に大切なことです。だらだらと時間にルーズな話をするのは、はっきり言って、聴く人に失礼ですし、時間の無駄となります。ですから、大隅多元塾では常に時間を意識しながら、自分の意見を発表してもらうことにします。
5. 箇条書きで考える癖をつける
わたしが見るところ、アメリカでは話をする場合でも、よく箇条書きスタイルで話をする人が多いようです。たとえば、あるテーマについてその人が意見を述べるとき、こういう感じで話をするのです。「このテーマについて、私は次の三つのことをみなさんに訴えたいと思います。その三つのこととは、○○、△△、そして□□です。まず初めの○○については……」この方式のすぐれた点は、聞き手が最初の段階で、次に何が話されるかを予想できるところであり、焦点が定まった話になるということです。もちろん全員がそのようなやり方を真似る必要はありませんが、少なくとも話をまとめるうえで、こうした箇条書きスタイルで考え、発表するということを意識してみるのも悪くはないはずです。少なくともあなたの頭がクリアになる手助けにはなると思いますよ。